ライダースジャケットと同じく革ジャンの王道として挙げられるのがフライトジャケット。
空の上を想定して作られた服なので防寒性が非常に高いのが特徴です。
中にはムートン素材やナイロン素材で作られたものもあります。
でも、一方でフライトジャケットは種類が多くて、革ジャン初心者からすると分かりづらい・・・
そこで今回は、
- フライトジャケットの特徴
- フライトジャケットの代表的なブランド
- フライトジャケットの種類
について解説していこうと思います。
いきなり全部覚える必要はないので、まずは定番モデルである「A-2」と「B-3」だけ押さえておきましょう。
チョビ助
この記事に書いてあること
フライトジャケットとは
フライトジャケットとは、名前のとおり「フライト = 飛行」のためのジャケットです。
空の上では寒さのあまり体が動かなくなることがあるため、パイロットの防寒着としてフライトジャケットが開発されました。
防寒性の高さについては、それぞれの誕生した背景や使用用途によって異なります。
例えば、寒冷地用に作られた「B-3」は、襟と内側がムートン素材でできていますが、「A-2」には付いていません。
このように作られた目的ごとに機能性や防寒性が変わるのも、フライトジャケットの面白さだと言えるんじゃないでしょうか。
フライトジャケットは種類が多いよ
じつはフライトジャケットって、細かく分けると20種類以上もあるんですよね。
例えば、陸軍と海軍で分かれていたり、素材がレザーとナイロンに分かれていたり、そのほかにも細かい違いで名称が変わります。
これらを全部覚えるのは大変なので、まずは代表的な「A-2」と「B-3」だけ覚えておきましょう。
「A-2」と「B-3」以外のモデルについては、記事の後半で触れたいと思います。
A-2フライトジャケットの特徴
- リブニット
- フラップ付きポケット
- ウインドフラップ
- 背面は一枚革
A-2フライトジャケットの特徴を4つあげてみました。
ひとつずつ解説します。
1, リブニット
A-2は袖口と裾にリブニットが付いているのが特徴です。
これによって防風性を高めることができます。
2, ウインドフラップ
ウインドフラップは、ファスナーの上に取り付けられているパーツです。
これで風の通り道を防ぎ、防風性を高めています。
前身モデルのA-1は、ファスナーではなくボタンで留めるタイプなので、防風性がパワーアップしたと言っていいでしょう。
3, フラップ付きポケット
左右に大きめのフラップ付きポケットが付いているのも特徴のひとつですね。
でも、軍人としてポケットに手を入れることは不適切だという考えから、本物のA-2は手を突っ込めない仕様になっています。
4, 背面は一枚革
A-2の背面には、贅沢に一枚革を使っているので、つなぎ目はありません。
もし複数の生地で縫い合わせていた場合、それはA-2の類似商品だと思ってください。
本物にこだわっているブランドなら、普通は一枚革で作っているはずなので、判断材料の1つになります。
B-3フライトジャケットの特徴
- 羊革を使っている
- 裏地はムートン
- 襟に2本ベルトが付いている
つづいてB-3フライトジャケットの特徴を解説します。
極寒冷地用のジャケットとして開発された背景があるため、防寒性を高める工夫が随所に見られます。
1, 羊革を使っている
- シープスキン(生後1年以上)
- ラムスキン(生後1年以内)
B-3フライトジャケットは、上記どちらかの羊革を使っています。
羊革は柔らかくて暖かいのが特徴で、極寒冷地にぴったりの革ジャンです。
気温でいうと「-30℃〜 -10℃」に適しています。
だから、暖かい土地で着用すると、インナーがTシャツ1枚でも汗が出るほど暑いかもしれません。
2, 裏地はムートン
女性が冬場によく履いているムートンブーツと同じ素材が裏地に使われています。
上半身を毛皮で包み込むので、想像するだけでも暖かさが伝わってくるんじゃないでしょうか。
3, 襟に2本ベルトが付いている
ただでさえ暖かいB-3フライトジャケットですが、襟を立てることでさらに防寒性が高まります。
襟にはベルトが2本付いていて、しっかり首回りをホールドしてくれます。
フライトジャケットの代表的なブランド
- The REAL McCOY’S(ザリアルマッコイズ)
- AVIREX(アビレックス)
- BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ)
- MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン メンフィスベル)
フライトジャケットを販売している代表的なブランドを4つあげました。
どれも質が良くて人気があるブランドばかりなので、この中から選んでおけば間違いないですよ!
・The REAL McCOY’S(ザリアルマッコイズ)
The REAL McCOY’Sは、1963年の映画『大脱走』にて、主演のスティーブ・マックイーンが着用したことで一躍有名になったブランドです。
A-2の価格帯は20万円前後ですが、素材や縫製方法にこだわり抜いており、世界トップクラスのクオリティーと言われています。
ちなみにブランド名の意味は「正真正銘の本物」です。
これこそまさにキング・オブ・フライトジャケットと呼ぶに相応しいでしょう。
・AVIREX(アビレックス)
AVIREXはフライトジャケットのパイオニア的な存在です。
前身ブランドである『Aero leather』は、当時のアメリカ空軍に製品を供給していました。
1975年にAVIREXを創業したあとも供給は続き、空軍誕生40周年や50周年の記念服を作るなど、歴史に残る実績を持っています。
フライトジャケットを語る上では欠かせないブランドですよ!
・BUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ)
BUZZ RICKSON’Sは、スカジャンでも有名な「東洋エンタープライズ株式会社」が販売しているブランドです。
日本の会社なので海外ブランドよりも歴史は浅いですが、当時のフライトジャケットを復刻させる技術力に定評があります。
実物品を見ながら素材やパーツを研究し、アメリカのパイロットたちが着ていたA-2やN-3Bを見事に再現しているので、本物さながらの着心地を体感できるはずですよ。
・MORGAN MEMPHIS BELLE(モーガン メンフィスベル)
MORGAN MEMPHIS BELLEは、東京にある中田商店が製造ライセンスを取得して販売しているブランドです。
有名なB17爆撃機「メンフィス・ベル号」と、その機長であるモーガン氏がブランド名の由来になっています。
ほかのブランドよりも価格が安く、3〜4万円台で購入できるのが魅力です。
ちょっと手を伸ばせば届く価格帯なので、革ジャン初心者の人は候補に入れてみてもいいかも。
「A-2」や「B-3」以外のレザーのフライトジャケット
名称 | 年代 | 用途 |
---|---|---|
A-1 | 1927年 | 陸軍航空隊の飛行服第1号 夏季用のジャケット |
B-6 | 1939年 | 陸軍航空隊の防寒用ジャケット A-2(機動性)とB-3(防寒性)の中間的な存在 |
G-1 | 1947年 | 海軍航空隊を代表するモデル ヤギ革を使っている |
AN-J-4 | 1943年 | 陸軍と海軍の共通ジャケットとして採用 |
レザーを使っているフライトジャケットは、A-2とB-3を含めると全部で6種類あります。
定番のA-2をあえて外して、元祖のA-1を選ぶのも通っぽくていいですね。
「B-6」「G-1」「AN-J-4」は、どれもB-3と同じくムートンが使われているので、スッキリ着こなすよりも防寒性を重視する人におすすめです。
上の表に載っていない残りのモデルはすべてナイロン素材なので、今回は除外しました。※MA-1やN-1など
ナイロンのフライトジャケットといえば、MA-1はN-1などが有名ですね。
こちらも防寒性が高く、レザーと比べて価格が安いので気になる方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
フライトジャケットは種類が多いですが、とりあえず定番のA-2とB-3を押さえておけば大丈夫です。
各ブランドも定番モデルに力を入れているので、お気に入りの商品を見つけやすいと思います。
ただし、安い価格帯で売られているモノは、形を似せているだけの場合があるので、本物志向の方は記事の中で解説したA-2やB-3の特徴をもう一度じっくり読んでみてください。