革ジャン初心者の方は「アメジャンとロンジャンって何が違うの?」と疑問に思っているんじゃないでしょうか。
どちらも形状は似ているものの、見比べるとハッキリとした違いがあります。
というわけで今回は、アメジャンとロンジャンの違いを見分ける方法についてまとめました。
まずは下記の比較表を見てもらえると分かりやすいと思います。
アメジャン | ロンジャン | |
---|---|---|
国 | アメリカ | イギリス(ロンドン) |
特徴 | ベルトが前に付いている 着丈が短め サイズがゆったりしている 袖の付け根にリブを施している |
ベルトが両サイドに付いている 着丈は普通 サイズがスッキリしている 袖の付け根にリブがない |
バイクとの相性 | アメリカンバイクに最適 | カフェレーサータイプに最適 |
ベルトの位置を見て判断するのが一番カンタンな方法ですね。
ロンジャンの方がスタイリッシュに作られていて日本人の体型に合わせやすいと思います。
一方のアメジャンはアメリカ人のような屈強な男が着るイメージです。
それではアメジャンとロンジャンの違いについてもっと詳しく解説していきます。
基礎知識:革ジャンにはダブルとシングルがある
革ジャンに興味を持っている人なら「ダブル」や「シングル」といった言葉を聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
ダブルは前開きの部分が大きく重なっていて、首元にVラインが出来るのが特徴です。
シングルはほかの洋服でもよく見かけるデザインなので、一般的に馴染み深いと思います。
でも、アメジャンとロンジャンにはシングルが存在しません。
なぜ存在しないかというと、ダブル仕様のコートを短くしたのがライダースジャケットの原型だからです。
そして、コートのようなゆったり感が、そのままアメジャンに引き継がれました。
こういった歴史的な背景を知っていくと、革ジャンへの興味がもっと高まっていくと思いますよ。
チョビ助
【カンタンな見分け方】アメジャンとロンジャンの違い
- ベルトの位置
- 着丈の長さ
- アメジャンは袖の付け根(後ろ側)にリブがある
アメジャンとロンジャンのデザインの違いを3つまとめました。
これらのデザインは、すべてバイクの形状と深い関係があるので、その点も踏まえながら順番に解説していきます。
1, ベルトの位置
アメジャンとロンジャンの違いは、ベルトの位置で見分けるのが一番カンタンです。
アメジャンのベルトはバックルがおへそのあたりにありますね。
一方のロンジャンは、両サイドにベルトが付いていて、アジャスター式になっています。
なぜロンジャンのベルトがサイドに付いているかというと、バイクのガソリンタンクを傷付けないようにするためです。
イギリス人がよく乗っているカフェレーサータイプのバイクは、空気抵抗を減らすために前かがみの姿勢になるので、ベルトのバックルが前側にあるとガソリンタンクに当たってしまいます。
チョビ助
2, 着丈の長さ
※画像の赤線は同じ長さです。
上の画像では分かりづらいかもしれませんが、アメジャンの着丈は短めに作られています。
なぜ短いのかというと、服の裾がダボつかないようにするためです。
例えば、ハーレー・ダビッドソンのようなアメリカンバイクは、上半身を起こしてゆったり乗りますよね。
もし着丈が長いと腰回りがダボっとなって、あまりカッコよくありません。
バイカーにとってファッションは、「いかにクールであるか」が重要なので、細かい誤差だと思わずに慎重にサイズ選びをしましょう。
チョビ助
3, アメジャンは袖の付け根(後ろ側)にリブがある
アメジャンは、腕を動かしやすいように袖の付け根(後ろ側)にリブが施されています。
リブというのは、伸縮性があるパーツを指している言葉で、分かりやすくいうとパーカーの袖口に付いているゴムの部分です。
なぜリブを付けるかというと、アメリカンバイクに乗るとき腕を伸ばす必要があるからですね。
ロンジャンはスタイリッシュな作りなので、腕を伸ばすと少し窮屈に感じるかもしれません。
チョビ助
アメジャンとは
アメジャンはアメリカ生まれの革ジャンを指す言葉です。
ロンジャンよりも歴史が長く、ライダースジャケットの元祖と言われています。
最初にライダースジャケットを発売したのが、アメリカンバイクでおなじみの「ハーレー・ダビッドソン」です。
その名残からか、今でも男臭いバイクウェアのイメージが強く残っていますね。
アメジャンの代表的なブランド
- schott(ショット)
- vanson(バンソン)
ショットは革ジャン好きじゃない人でも聞いたことがあるブランド名だと思います。
古着屋さんの革ジャンコーナーでもよく見かけるので、意外と身近な存在です。
バンソンはアメジャン特有の前ベルトやエポーレット(肩の飾り)を取り除いモデルも販売していて、スタイリッシュに着こなせますね。
どちらも有名ブランドなので、アメジャンを買うなら一度は袖を通してみた方がいいですよ!
ロンジャンとは
ロンジャンは、イギリス(ロンドン)生まれの革ジャンを指す言葉です。
アメジャンの屈強なイメージとは違い、スタイリッシュなシルエットを楽しめます。
ロックやパンクといった音楽との関係性も強く、1970年代の中盤以降はストリートファッションとしても定着しました。
もちろんバイクの形状とも関係はあるんですが、どちらかというと音楽のイメージが強いことを覚えておくといいでしょう。
チョビ助
ロンジャンの代表的なブランド
- Lewis leathers(ルイスレザー)
- JAMES GROSE(ジェームスグロース)
- 666(ロクロクロク)
ルイスレザーとジェームスグロースは、世界的に有名なロンジャンのブランドです。
中でもジェームスグロースは、40年の歳月を経て、2015年に復活した老舗ブランドでファッション好きの人たちからも愛されています。
666は日本のブランドで、ロックやパンクが好きな人たちに支持されています。
どっちがいいの?アメジャンとロンジャンの選び方
アメジャンとロンジャンは、結局どっちがいいのかという疑問についてですが、
ただのファッションとして着るならロンジャンの方がスタイリッシュで使いやすいですね。
理由は冒頭でもお伝えしたとおり、アメジャンは屈強なアメリカ人に似合うサイズで作られていて、細身の日本人にはあまりおすすめできません。
でも、格闘家や野球選手のように体格が大きい人ならアメジャンを選んでもいいと思います。
バイクに乗っている方はバイクの種類に合わせて選ぶといい
「アメジャンとロンジャンの違い」の項目でもお伝えしましたが、デザインとバイクの形状は深い関係があります。
アメリカンに乗るならアメジャン、カフェレーサータイプに乗るならロンジャン。
この選び方が本来の目的にマッチしていておすすめです。
まとめ
今回はアメジャンとロンジャンの違いについて解説しました。
ちゃんと特徴を知っていれば、誰でもカンタンに見分けられるようになりますよ。
それでは最後に違いをもう一度おさらいしておきましょう。
アメジャン | ロンジャン | |
---|---|---|
国 | アメリカ | イギリス(ロンドン) |
特徴 | ベルトが前に付いている 着丈が短め サイズがゆったりしている 袖の付け根にリブを施している |
ベルトが両サイドに付いている 着丈は普通 サイズがスッキリしている 袖に付け根にリブがない |
バイクとの相性 | アメリカンバイクに最適 | カフェレーサータイプに最適 |
ただし、最近はデザイン性を優先して、本来あるはずのものが無かったりするので、すこし迷うことがあるかもしれません。
そういうときは、知ったふりをせずにお店の人に聞いてみるのがいいですよ。
店員さんは革ジャンの知識をたくさん持っているので、ぜひ仲良くなって吸収してみてください。
チョビ助