シャークレザー(サメの革)ってカッコいいですよね。
エキゾチックレザーの中では、クロコ革やスティングレーの影に隠れがちですが、
- 水に強い
- エイジングがカッコいい
- 日本産がメインで出来がいい
「じつはレザーの中でも最強なんじゃないか?」と思うほど丈夫で、革の弱点である水にも強いんです。
丈夫な分だけ、ちょっと分厚くなっちゃいますけど、そのカッコよさは半端じゃありません!
というわけで今回は、シャークレザーの魅力を思う存分紹介していきますね。
シャークスキン(サメ革)の種類
現在確認されているサメの種類は、なんと500種類以上。その中でも革として鞣して利用されているものは20種類程度しかいません。
- 日本のレザークラフト界隈でよく使われるのは小型のヨシキリザメ
- ほかには、カリブ海が原産のホホジロザメやイタチザメがいます
意外なことに、日本でもサメの捕獲と加工がされているんですよね。
マグロ漁のときに漁獲されたものや、沖縄では駆除のために漁獲されたサメを革に加工したりすることも。
ただ、国産シャークレザーとしては宮城県 気仙沼産のものが有名です。
国産品は、海外で捕れるイタチザメよりシボが細かいため革小物にも適しているんですよね。
日本一の漁獲高!気仙沼のヨシキリザメ
そんな中で、全国一位のサメの漁獲高を誇るのが宮城県の気仙沼。
現在日本で水揚げされるサメの90%が気仙沼産だそうです。すごいですよね。
シャークスキンは基本的には鮫を加工したあとの副産物なので、漁獲されたヨシキリザメの加工設備が整っている場所も貴重なんです。
食用ではフカヒレやすり身に利用され、脊椎骨などは医薬品やサプリなどの原料に使用されています。コンドロイチン(サメ軟骨)とか。
そうして余った皮がシャークレザー(シャークスキン)として活用されています。
後で紹介しますが、ヨシキリザメは個体の大きさが1~2mほどしかありません。そのため海外のサメ革と比べても希少みたいです。
カリブ海など海外産のサメ「イタチザメ」「ホオジロザメ」
日本で鞣されるサメについて話しましたが、逆に海外産のシャークレザーはイタチザメやホオジロザメが主流となっています。
とくに、イタチザメなんて日本のサメとは大きさが全然違うんですよ。
体長6m以上の個体もいるようで、大量に皮が取れるので重宝されています。
シャークレザーの種類もそれぞれ
このように一言で鮫の革と言っても、その財布に使われているサメの種類を知るだけで楽しみが増えますよね。
シャークレザーの原産地については公開されていることが少ないので、想像しながら眺めてみてください。
基本的にはシボが小さくて美しいものが高級品と思って大丈夫です。
シャークレザー(サメ革)の特徴
- 大きめのシボが特徴の革
- 海の生き物なので他のレザーと比べて水気に強い
- 養殖の革は無いよ
- 経年変化で見えるツヤがカッコいい
シャークレザーは適度にしなやかで強度があり、キズが付きにくいことから高級腕時計ブランドのベルトにも使用されていたりします。
じつは、現在流通しているシャークレザーはすべて天然ものです。サメは漁業において外道なので養殖はしませんから。笑
ちなみにキャビアでお馴染みのチョウザメは養殖されていますが、レザーとして使われることはほとんどありません。
独特のシボが魅力的
サメ肌というとザラザラとしたイメージですが、それとは違いシャークスキンはとても滑らか。思っている以上にしっとりとしています。
この細かい網目のようなシボがたまらないですよね。
- 日本産のサメ(ヨシキリサメなど)はシボが細かく
- イタチザメやホオジロザメはシボが大きい
という特徴もあります。
これは生体の大きさに起因するのですが、シボが大きくなると象革のような質感に近づいてきます。
ワイルド感が欲しい方はイタチザメがおすすめですが、日本の職人が鞣した革がいいという方はヨシキリザメがいいんじゃないかなーと思います。
サメ革は水にも強いよ!
牛革や馬革は水にめっぽう弱いですが、サメは水生生物なのでかなり水に強い革なんです。
GANZOのブログでサメ革を水に濡らす実験をしているのですが、2時間ほどで水シミが消えています。
水に弱いアニリン染めで仕上げた革なのにこの強さ。驚愕でした。
サメ革のエイジング
あまり知られていませんが、シャークスキンの一番の楽しみはなんといってもエイジング。
ツヤや光沢も素晴らしいですね。
牛革と比べるとエイジングはやや遅いですが、使うたびにシボ感が強くなりワントーン深い色へエイジングをしていきます。
人間の指紋と一緒で、同じ模様はひとつとして無いので、世界にひとつだけのエイジングが楽しめるのも魅力のひとつです。
シャークレザー(サメ革)のメンズ財布
魅力がわかったところで、シャークレザーの財布を見ていきましょう。
カジュアルでも使える財布やライダースウォレットだけじゃなく、ビジネスユースで使えるものもあるんですよ。
GANZO KESEMA (ケセマ) ファスナー小銭入れ付き長財布
ブランド | GANZO(ガンゾ) |
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サイズ | 100 × 190 mm 厚さ25mm |
札入れ | 2個 |
小銭入れ | 1個 |
内ポケット | 2個 |
カード入れ | 12個 |
素材 | 外装:気仙沼産 サメ革 内装:イタリア産ショルダーヌメ |
生産国 | 日本 |
値段 | 49,500円(税込) |
GANZOのKESEMA(ケセマ)シリーズは、気仙沼で水揚げされたヨシキリザメのみを使用したメイドインジャパンのシャークスキンの財布です。
気仙沼産のシャークスキンは本当に丁寧で高品質なんですよね。
サメのウロコを手作業で落としてから鞣すという、かなり手間のかかっている革です。
内装はイタリア産のショルダーヌメ。
シンプルな内装で使いやすいのでサメ革を純粋に楽しむことが出来ます。
GANZO KESEMA (ケセマ) 小銭入れ付き二つ折り財布
ブランド | GANZO(ガンゾ) |
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サイズ | 93 × 106 mm 厚さ20mm |
札入れ | 1個 |
小銭入れ | 1個 |
カード入れ | 6個 |
素材 | 外装:気仙沼産 サメ革 内装:イタリア産ショルダーヌメ |
生産国 | 日本 |
値段 | 36,300円(税込) |
GANZOは作り込みが丁寧なのでレザーファンの間でもかなり評価が高いんですよ。
コバは切り目本磨き。縫製もしっかりと作っているのでスマートに見えるだけでなく、小銭入れ部分も直接縫い合わせることで薄さを出しています。
カード入れも斜めにスリットが入っているので、出し入れしやすいようになっていますよ。
KC’s ライダースウォレット アリゾナフローラル シャーク
ブランド | KC’s(ケーシーズ) |
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サイズ | 190 × 90 mm |
札入れ | 1個 |
小銭入れ | 1個 |
カード入れ | 10個 |
フリーポケット | 3個 |
素材 | 外装:カリブ海産 サメ革 内装:牛革 |
生産国 | 日本 |
値段 | 36,080円(税込) |
サメ革を使ったライダースウォレットが欲しいという方はKC’sがオススメです。
ケイシイズが使用しているサメ革はカリブ海で捕獲されたホオジロザメとイタチザメ。
残念ながらどちらのサメ革なのかは分かりませんが、大きいサメのしっかりとしたシボ感はライダースウォレットにはピッタリです。
内装には最上級の牛革、コンチョのバランスもよく、KC’sにしか出せないシャークレザーの良さを引き立ててくれていますよ。
KC’s ビルフォールド ラウンドジップ シャーク
ブランド | KC’s(ケイシイズ) |
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サイズ | 105 × 12 mm マチ3.2cm |
札入れ | 1個 |
小銭入れ | 1個 |
カード入れ | 4個 |
素材 | 外装:カリブ海産 サメ革 内装:牛革 |
生産国 | 日本 |
値段 | 20,900円(税込) |
ケイシイズよりラウンドジップの二つ折り財布。
小銭入れはボックスタイプなので取り出しやすくなっています。
ファスナーはYKK社なのでコの字型のファスナーでも滑らかに開閉できますよ。
ただし、顔料染めなのでサメの味わいは薄れますが艶の出るエイジングは楽しめます。
サメ革のお手入れ方法
サメのお手入れはすごく簡単。
もともとが強い革なので、そこまで神経質にお手入れはしなくて大丈夫です。
汚れやホコリが付いたら拭き取ってあげるくらいでOK。
季節の変わり目ぐらいにタイミングをみてクリームを塗ってあげればツヤも蘇ります。
水に濡れても、大抵のシャークレザーは陰干しでシミを防げます。
ですが、濡れたまま放置したり、熱に弱いのでドライヤーで乾かすなどはNGですね。
乾いた布で水気を吸い取って風通しの良い場所で陰干しをしましょう。
サメ革と鮫皮の違いと誤解
最後に、シャークレザーの呼び方について解説しましょう。
サメ革は「鮫皮」や「シャークレザー」、「シャークスキン」と呼ばれていますが、非常に誤解が多い革でもあるんです。
ぶっちゃけ、革専門店を名乗っているのに、間違った表記を書いているサイトがあったりするぐらいですから。。。
なので、これに関しても説明させてください。
シャークスキンの立ち位置
シャークレザー、サメ革と並んで呼ばれる「シャークスキン」。
じつは、このシャークスキンには2つの意味があって、
- サメの皮のような見た目の布生地
- サメの楯鱗(うろこ)を取り除いて鞣した革
ややこしいんですが、サメ革という意味のシャークスキンとは別に「シャークスキンという生地」があるんです。笑
生地のシャークスキンはサメの皮のような見た目の生地で、スーツなどによく使われています。
また一方、革業界でもサメ革のことも「シャークスキン」と呼んでいるブランドや革小物屋さんがいます。
これはカーフスキン・ゴートスキン・ピッグスキンなどと同じく革を指している「シャークスキン」ですね。
(※スキンは小さな生体の革で使われる名称です。)
革業界的には、楯鱗というサメのウロコを取り除いて鞣した革がシャークスキンです。
ということで「シャークスキンは革以外に、布も同じ名前のものがあるんだよ。」ということを頭に入れておいてください。
「鮫皮」は「鮫革」ではない!?
「シャークスキンは、おろし金や刀の柄に使われているよ」と書いているサイトがあるのですが、じつは間違いなんですよね。
たしかに「鮫の皮」と書くので誤解が多いのですが、ここでいう鮫皮はエイの革のことなんです。
どうしてエイ革のことを鮫皮と呼ぶのか。
これは昔の名残りだと思います。(詳しく記載された文献は探せませんでした…)
たしかに、サメとエイは分類上非常に近いんですよね。昔はエイの革を「白鮫の革」と呼ばれていたそうです。
戦国時代、刀の柄に適したエイの革は日本では捕れなかったので輸入していたらしいんです。おそらくその時点で鮫皮と呼ばれていたんでしょう。
ちなみに刀に使われている鮫皮は、
実際は南シナ海、インド洋に生息するエイの一種であるツカエイなどの「真鮫」と呼ばれる魚の背面中央部の皮をはがし、乾燥させたもの。
ということらしいです。
ですからシャークレザーはおろし金や刀には使われていません。
わさびなどを下ろす「おろし金」にはカスザメと呼ばれるサメの革が使用されることもあるようですが、レザー用品に使われるサメ革とは別です。
鮫皮は業界によってはエイの革のことを指すんだよ。ということを注意してくださいね。
つまりどういうことかというと…
- レザー業界ではシャークスキン(サメ革・シャークレザー)はサメの革。
- 一般的に楯鱗(じゅんりん)を取って鞣した革のことをシャークレザーと呼ぶよ。
- 鮫皮はおろし金や刀の柄に使われているが、実際にはエイの革だよ!
- ファッション業界でのシャークスキンは布生地のことだよ。
現代におけるシャークレザーの認識はこれで間違いないはずです。
なかなかにややこしい。
世界は広いので、もしかしたらサメの革を使ったおろし金なんかもあるかもしれませんね。笑
知ってるよ!という方がいたら教えていただきたいです。
まとめ
- 水に強くて丈夫
- 凸凹としたシボ感やエイジングの質感が特徴的
- 強くてしなやかな革だよ
シャークレザーは知名度の少ないマイナー革なのですが、根強いファンがいるのも分かりますよね。
風水的に見ると、水回りの仕事をしている方や水商売の方の運気が上がると言われています。
サメの歯なんかも海のお守りとして人気がありますからねー。
ということで、みなさんもぜひシャークレザーを手にしてみてください。
※補足
今のところシャークレザーの財布を買うなら、GANZO(ガンゾ)のものが一番おすすめです。
タンニンなめしで丁寧に作り上げているのでビジネスユースに使えますし。
また、カジュアル使いだったり、ライダースウォレットが欲しいという方はKC’s(ケイシイズ)の強いシボ感も見てほしいです。
国産のブランドで「これは良いなぁ」と思えるところが増えれば追加していきますね。