誰もが一度は憧れる「クロコダイルレザー」。
クロコダイルレザーは牛革の財布と違って値段の違いがよくわからなく、なにが良くてなにがダメなのかがわからない方も多いと思います。
この記事は、
- 「最高級のクロコを買いたいけど失敗したくない」
- 「そこまで高いのは買えないけどできるだけ良いクロコを選びたい。」
- 「クロコダイルの財布に興味があるけど詳しくない」
こういう方に読んでいただきたい記事です。
人それぞれ、いろいろな悩みがあると思うので、全員の悩みを解決できる記事にしていますよ。
チョビ助
この記事に書いてあること
クロコダイルはエキゾチックレザーだよ。
まずはじめに、クロコダイルの基本から説明させていただきます。
「クロコダイル=ワニ革」というのは一般常識ですね。
そして、牛や馬ではない革(ワニ・ヘビ・トカゲ・ダチョウ・サメ・エイ・ゾウなど)希少性の高い革の総称を「エキゾチックレザー」と言います。
エキゾチックレザーの代表格が「クロコダイル」というわけです。
クロコダイルレザーは見た目も華やかで強度もあるため、エキゾチックレザーの中でも人気も高いんですよね。
とはいえ、一言で「クロコダイル」といっても色々な種類があるので注意が必要なのです。
ワニの種類で値段が倍以上変わってきますからね。
肚ワニと背ワニって?
クロコダイル革には「肚ワニ(はらわに)」と「背ワニ(せわに)」の2種類が皮革として使用されています。
- 肚ワニは、ワニを背中から切った革
- 背ワニは、ワニのお腹から切った革
肚ワニは高級感が出るので大手ブランドでもよく使われているポピュラーな革ですね。
一方で背ワニはゴツゴツとしたコブが特徴となるため、男らしさやワイルドさを求める方に人気の高い革ですよ。
どちらも価格的には変わらない印象ですが、肚ワニのほうが見た目がスッキリしているため高級財布に使われることが多いです。
斑と穿孔
これもクロコダイル革を語る上で押さえておきたいポイントのひとつ。
クロコダイルには必ず付いている格子状の四角い模様。これはクロコダイルのうろこで、これは斑(ふ)と呼ばれてます。
- 四角い斑は竹斑
- 丸い斑は丸斑(玉斑)
というように、場所によっても名前が変わってきますよ。
これが丸くてキレイに並んでバランスがいいものが質の高いクロコダイルとされていますね。
次に「穿孔(せんこう)」。
これはクロコダイルのうろこに付いている小さいくぼみです。
あとで紹介しますが、高級クロコダイルとされるスモールクロコやナイルクロコにも穿孔が付いています。
革の染め方などによってはっきり見える、見えないという個体差はありますが、クロコダイル革の特徴として覚えておくといいですね。
クロコダイルの偽物に注意!?
型押しクロコはワニの革ではありません。
「そんなの分かってるよー」と思っている方もいるでしょう。
でも、それが分かりづらい販売店が多いのも事実。
「本革 クロコダイル エンボス(型押しという意味)」などの表記に気が付かない人も多いんですよね。
「型押しクロコだよ」と書けばいいんですけど、長く業界にいるとこれで意味が通じると思ってしまうみたいです。
ぶっちゃけ型押しクロコは、クロコダイルの雰囲気を牛革で楽しむものであって、ワニ革とはまた違う味わいの面白い革だと思うのです。
どちらがいいとはいいませんが、型
クロコダイル革の種類
たまに「クロコダイルっていうワニが存在している」と勘違いしている人もいるようですが実は違います。
クロコダイルは”クロコダイル科クロコダイル属のワニの総称”のことです。難しいですよね。
なので「クロコダイルの革を使っていますよ」とうたっていても、ブランドやシリーズが違えば、別の種類のワニ革を使用していたりします。
これが各ブランドの値段の違いにつながるわけです。
ということで、ここからは革製品によく使われているクロコダイルの種類と革の特徴をかんたんに説明していきますね。
キングオブクロコ「イリエワニ(スモールクロコダイル)」
スモールクロコは和名を「イリエワニ」、ヨーロッパでは「ポロサス」と呼ばれています。
クロコダイルの中でも小さくてキレイに揃ったウロコが特徴。
一部では「キングオブクロコ」と呼ばれるほど高価で高級な人気な革なんです。
金額は10万を越えることも多いので、高品質で高級なクロコの財布が欲しい方は問答無用でスモールクロコでオッケーです。
定番の「ナイルクロコ」
ナイルクロコは世界的に見て取引量も多く、たくさんのブランドで使用されています。
ウロコの特徴はイリエワニよりやや大きく、お腹の斑は長方形をしています。
日本においてはクロコダイルの定番のような存在なので、イリエワニよりも安価(それなりの価格ですが)で入手しやすいですよ。
ラージクロコ
ラージクロコは財布ではあまり見かけないですね。
斑は正方形に近くて、サイズの大きいクロコダイルです。
クロコダイルの中では安価な部類に入ります。
野生感、ワイルドさが欲しい方にはオススメの革ですよ。
シャムクロコ
シャムクロコはラージクロコよりも小さいうろこを持ったクロコダイルですね。
スモールクロコとラージクロコの中間って感じです。こちらも財布にはあまり使われていませんね。
もうひとつ大きな違いは、ラージクロコは野生のクロコダイル革なのに対し、シャムクロコはほとんどが養殖の革という点ですね。
その他のワニ革
クロコダイルではないですが、「アリゲーター」と「カイマン」の2種類のポピュラーなワニ革があります。
- アリゲーターはナイルクロコダイルよりも高級な革
- カイマンはワニ革の中でも硬さがあり安価
というところを覚えておけばいいですね。
アリゲーターというと安く見られがちですが、じつは高級ワニ革なんですよね。
一方で、カイマンはお手頃価格なワニの革です。安いワニ革の財布は大体コレだったりします。
そして、気をつけてほしいのがカイマンやアリゲーターはクロコダイルではありません。
「クロコダイルを使用(使用革:カイマン)」みたいな表記をたまーに見かけますが、騙されないように注意してください。
とはいっても、鞣しや加工技術によって良い素材にすることもできるので、ブランドのデザイン力によってはリーズナブルで化ける革になりますね。
クロコダイルの財布の選び方は?
クロコダイルの財布の良し悪しは、先程のクロコダイルの種類だけでは選べない部分もあります。
ブランドの制作技術も考慮しないと、せっかくいいクロコダイルを買ったのに縫製やコバが雑で辛い…なんてこともありますからね。
値段にも直結するので自分にあった基準を探してみてください。
1.使われている革はどこか?(センター取り)
クロコダイルの財布はどの部位を使用しているのか。という点もいいクロコダイルを選ぶ上で大切になってきます。
一番高価とされるのがクロコダイル革の肚を中心に取った「センター取り」といわれるとり方です。
センター取りが一番高価な理由は、1つのワニ革から1枚しか取れないから。
特徴としては、ワニ革の真ん中でカットしているので竹斑が中心に来て、スケール(うろこ)がシンメトリーになっています。
また、センター以外で取った革(脇肚やテールなど)はシンメトリーではないものが多く、竹斑の面積が少ないですね。
まぁでもこれに関しては、好みがあるのでなんとも言えないです。
シンメトリーが高級だからといって、そのデザインが好きじゃなければ使いたくないですからね。笑
僕はスケール(斑)は芸術だと思ってるので、自分の気に入った斑の財布があればセンター取りじゃなくてもいいと思っています。
ちなみに、センター取りで使った革のあまりは、財布の内装や、キーケースなどの小物に利用されていますよ。
2.外装は一枚革か
先程のセンター取りの話と少し被るのですが、縫い合わせをしているクロコが一番安価ということになります。
- 一枚革・・・外装を1枚の革で作ったもの。
- 縫い合わせ・・・複数の革をつなぎ合わせたもの。
縫い合わせの財布は外装に継ぎ目が見えるのが特徴。一枚革へのこだわりが無い方ならリーズナブルに購入できます。
「クロコダイルの革財布を試してみたい。」という方にはちょうどいいかもしれません。
ただしオンラインストアで購入する際には注意が必要。
絶妙に継ぎ目を目立たせないような写真で販売している財布もあるんですよね。
耐久性などにそこまで問題はないため、コストカットで値段を下げるための方法の一つだと思ってください。
3.オールレザーかどうか?
オールレザーというのは外装だけでなく内装も本革を使用している財布のことを指します。
内装にナイロンなどを使っていると値段がグッと安くなったりするので、「高級感のあるクロコダイルの財布が欲しい!」という方は内装の素材にも注意してみてください。
まともなブランドならクロコに合う高級な内装を使いますし、オールクロコの財布ならかなり高級感があります。
外側から見えない部分なので自己満足ですが、やっぱり良いものを使いたいならこだわり抜きたいですよね。
オススメのメンズクロコダイル「スモールクロコ」
「クロコダイルの財布の中でも一番高級な財布が欲しい!」
「金に糸目はつけねーぜ!」
という方は、スモールクロコダイルをおすすめします。
上手なブランドが作った財布だと、斑の揃い方がめちゃくちゃ気持ちいいですから。
耐久力が高いため、メンテナンスしながら使えば一生モノとしてもいけますよ!
ココマイスター 「クロコダイル シリーズ」
ブランド | ココマイスター |
---|---|
素材 | スモールクロコ(イリエワニ) |
内装 | フランス産フォルスカーフ(牛革) |
価格帯 | 270,000〜560,000円 |
ココマイスターのクロコダイルシリーズは値段がかなりアレですが、物は良いです。
オンラインでの購入の財布なら全商品に返品交換保証が付いているので安心して購入できますし。
財布にはセンター取りしたスモールクロコダイル、名刺入れや小銭入れは丸斑部分を使っていますね。
内装にはクロコダイルに合うように選別した牛革を使用。高級感がありながら、日常でもかなり使いやすくなっています。
それくらい財布作りに自信を持っているブランドなんですよね。
カラーバリエーションも豊富で、個性を出したい方にもオススメです。
GANZO 「スモールクロコ 小銭入れ付き二つ折り財布」
ブランド | GANZO |
---|---|
素材 | スモールクロコ(イリエワニ) |
内装 | イタリア産バケッタレザー(牛ヌメ革) |
価格帯 | 77,000〜275,000円 |
シンプルで高級な二つ折りクロコが欲しいかたはGANZOがおすすめ。
値段もお手頃ですし、GANZOの財布は縫製とコバ処理がキレイだと有名ですからね。
もし手に取る機会があれば、コバを見てください。絶対に惚れます。
また、マット加工なので、使っていくうちに艶が出るのも使っていて嬉しいポイントです。
GANZOのスモールクロコシリーズには、
- 通しマチ長財布(束入れ)
- 二つ折り長財布
- 二つ折り束入れ
- 名刺入れ
- 馬蹄コインケース
の5つのラインナップとなっていますよ。
三京商会 スモールクロコダイル(ポロサス) 長財布
ブランド | 三京商会 |
---|---|
使用しているクロコダイル | スモールクロコダイル(イリエワニ) |
内装 | クロコダイル・パイソン(蛇革)・羊革 |
価格 | 125,400円 |
原産国 | 韓国 |
「スモールクロコダイル(ポロサス)の財布が欲しいけど、20万以上もかけられない!」という方にはこちら。
ただ、上記2ブランドのスモールクロコは、僕が実際に見て触って確かめたことがあるのですが、この商品は実際に手に取っているわけでは無いのであしからず。
あくまで安いスモールクロコを探している方向けに紹介します。
三京商会のスモールクロコが安い理由は
- 製造工場・メーカーと直接取引してコストカットしている。
- 韓国で製造しているから。
この2点があげられます。
スモールクロコはH.C.P社製と明記しており、一枚革をセンター取りしているのは間違いなさそうですね。
先ほど紹介したココマイスターやGANZOは日本の革職人が縫製糸やコバまでしっかりとこだわって製造しているのでどうしても値段が高くなります。
一方で三京商会は縫製を韓国で行っているので人件費も安いということですね。
縫製などのレビューを書きたいのですが、どうしても写真だけじゃ分からないことが多いので、実物を触る機会があればすぐに追記します。
ちなみにシャイニング加工を施しているで女性にもおすすめのデザインですよ。
オススメのナイルクロコのメンズ財布
日本でも取引量の多いポピュラーな「ナイルクロコダイル」。
たくさんのブランドからナイルクロコダイルが使用されていますので、デザインやカラーで選ぶのがいいでしょう。
スモールクロコよりも安価ですが、ブランドによって値段がぜんぜん違うのもナイルクロコの特徴です。
東京クロコダイル
ブランド | 東京クロコダイル |
---|---|
主に使用しているクロコダイル | ナイルクロコダイル |
内装 | ナイルクロコ・合皮など |
価格 | 77,000円(税込) |
原産国 | 日本 |
安さと品質を両方求めるなら「東京クロコダイル」がいい感じです。
- 創業40周年のクロコダイル専門店
- クロコダイルの原皮の輸入をしている
- 革作りを一貫して管理してるよ
- 返金交換保証あり
東京クロコダイルの凄いところはクロコダイルが革になる前の状態から輸入して、なめし、染色などの加工を一貫して管理している点。
革の状態で輸入するとどうしても高くなってしまいますからね。
つまり、メイドインジャパンの高品質な財布が安く買えるのが「東京クロコダイル」なんです。
内装も本革を使っていますが、裏地には合皮を使っている場合があるので、オールレザーにこだわりがある方は素材に注意してくださいね。
全商品7日間返金交換保証が付いているのも安心できるポイントですよ。
また、財布のカラーバリエーションや種類が豊富なので、安くて自分好みの財布を探したい方は東京クロコダイルで探すのをおすすめします。
万双 クロコダイルシリーズ
ブランド | 万双 |
---|---|
主に使用しているクロコダイル | ナイルクロコダイル |
内装 | ベルギー産牛革 |
価格 | 38,500〜137,500円 |
原産国 | 日本 |
- ブランドロゴは一切なし
- 財布の作り縫製技術は一流
ブランド力で勝負せず、革質と縫製技術だけで勝負しているのが万双のコンセプト。
名前こそ有名ではないものの、実力はトップクラスです。
コバ処理や縫製・捻引きなど、素人目でも丁寧なのが分かると思います。
さらに値段もリーズナブル。なかでもミニ財布は38,500円という破格の値段で購入できるんですよ。
カラーバリエーションは4種類。キャメルもあるので女性にもおすすめです。
キプリスコレクション
ブランド | キプリス |
---|---|
主に使用しているクロコダイル | ナイルクロコダイル |
内装 | ナイルクロコダイル・牛革 |
価格 | 132,000〜275,000円 |
原産国 | 日本 |
見た目だけじゃなく、実用性も持った財布が欲しいならこちらもおすすめです。
カード入れ部分がハニーセル機構と呼ばれるパカッと開く仕様で、カードが見やすくて取りやすいんです。
例えば指の大きい方やネイルをしてる方はカードが取りづらいですよね。
キプリスオリジナル機能のハニーセルならカードの中心部分が開くのでメチャクチャ取り出しやすいんですよ。
外装はナイルクロコのセンター取りの一枚革。マット加工が美しいクロコです。
WILDSWANS WAVE
ブランド | WILDSWANS(ワイルドスワンズ) |
---|---|
主に使用しているクロコダイル | ナイルクロコダイル |
内装 | 牛革 |
価格 | 38,000〜150,000円 |
原産国 | 日本 |
バイカーズ系でもクロコダイルが使いたい方は「ワイルドスワンズ」。
定番のWAVEシリーズにもナイルクロコの財布があります。
内装にはサドルプルアップを使ったもの、イングリッシュブライドルレザーを使ったものなどがあります。
こだわりの詰まったワイルド系の財布です。
革芸人 ナイルクロコダイル 手染めL字ジップ
ブランド | 革芸人 |
---|---|
主に使用しているクロコダイル | ナイルクロコダイル |
内装 | 牛革・ナイロン |
価格 | 39,600円 |
原産国 | 日本 |
エキゾチックレザー専門のブランド「革芸人」。
ナイルクロコのラウンドファスナーでは最安値ではないかと思います。
理由としてはセンター取りではなく、竹斑を横にとってるんですよね。さらに一枚革ではなく財布の背で縫い合わせています。
革の取り方を工夫して価格を落としているため、一枚革にこだわらない方ならかなりリーズナブルに購入できますよ。
ただ1点だけ、内装裏地にナイロンを使用しているので、厚みを稼げる一方で耐久性は若干落ちます。
日本製で手染めですしリーズナブルなので、入門にちょうどいいと思います。
クレバレスコ
このブランドは、本当にオススメなので変わり種として紹介させてください。
外装は牛革とクロコの異素材ミックス。財布の背面にナイルクロコのテールが使われたラウンドファスナーです。
クレバレスコが凄いのは、ミシンを使わず全てオールハンドステッチで縫い上げているところ。
色合い、縫製、コバ処理など、細部までかなり丁寧に作り上げているんですよね。
クロコダイルメインの財布ではありませんが、こういう財布も高級感があっておもしろいですよ。
クロコダイルの財布のまとめ
テンションが上がってたくさん紹介してしまいましたがいかがでしょうか。
ざっくりとまとめると、
- とにかく高級感が欲しい方はスモールクロコのセンター取り(ココマイスター・GANZO)
- 定番の高級クロコダイルならナイルクロコ(東京クロコダイル・万双など)
- 安価にクロコを購入したいなら三京商会か革芸人
こういう感じだと思います。
まだまだ奥の深いクロコダイルですが、自分にあった財布を探してみてくださいね。