スクモレザーという日本古来から愛される天然藍染の優しい皮革をご存知でしょうか。
藍染という古風な染色方法を取りながら、反面、仕上がりは現代的でめちゃカッコいい。
いま個人的に一番カッコいいと思う革です!とにかくエイジングがカッコいいです。
まだ使っている人が少ないので、手に入れるなら今ですよ!
チョビ助
天然藍染の皮革「スクモレザー」って?
スクモレザーを簡単に説明すると、「藍染した革」のことなんですが、ただ藍で染色した革をスクモレザーと呼べるのではありません。
実はものすごく手間ひまかけて作られたメイドインジャパンの皮革なんです。
ちなみに、藍というのは植物です。草なのに青い染料が取れるので古来より染め物に使われてきた歴史があります。
スクモレザーってどんな革?
- 徳島県伝統の阿波藍を使っている
- 京都府の呉服職人が手作業で染め上げている
- 兵庫県のタンナーが仕上げている
スクモレザーとは、京都の呉服職人が徳島県産の阿波藍(スクモ)で革を染め上げたあと、兵庫県の皮革工場で仕上げた天然染色革。
一般的な革は、なめしから染色までを1つのタンナーでおこなうことが多いのですが、スクモレザーはなめし終わった革を京都で染色し、兵庫県で仕上げているんです。
染入れも手作業なので、工程数が段違いですよね。
こういったいくつもの段階を踏んで「SUKUMO Leather」(スクモレザー)ができあがるのです。
藍色は種類がたくさんあるよ
一言で「藍染め」といっても、たくさんの藍色があることをご存知ですか?
「青は藍より出でて藍より青し」
という言葉がありますがそのとおりで、藍のカラーバリエーションは薄っすらと藍色が入った「藍白」(あいじろ)から、一番深い藍色「濃紺」まで。落ち着いた青系の和色が全12色。
スクモレザーでは藍色12色から、上記画像の8色を表現しています。
「空気に触れると色合いが変わる」という性質を利用して色味を調整しているそうです。
ちなみに、留紺という色まで染色するには、40回以上もこの工程を繰り返さなければいけないそうです。大変ですね。
スクモレザーは、一般的な藍染の革より柔らかいよ
藍というのは強アルカリ性なので、革を染めるのには向いてないらしいです。革が硬くなってしまうんだとか。
硬いままでは革として使えないため、スクモレザーでは仕上げ加工のときに柔らかくしています。
染めた革を兵庫のタンナーに送り、湯戻しという工程でアルカリ成分を抜いたあと、ばた織り機という機械で革を一枚ずつほぐしているんですね。
どう考えても工程が多すぎて製品化しにくい難素材を、ここまで手間暇かけて丁寧に作りあげているのは脱帽です。
SUKUMO Leatherの詳細
「SUKUMO Leather」(スクモレザー)は2012年に「(株)ヤングホリイ」という会社によって開発された比較的新しい革。
現在は、「株式会社ホリイ」という会社がスクモレザーの革の販売・製造をおこなっています。
スクモレザーを使った財布自体はいろいろなブランドが販売していますが、おそらくすべてのスクモレザー商品は、株式会社ホリイのスクモレザーを使っているという認識で間違いないでしょう。
スクモレザーを使った財布の紹介
さて、ここからはスクモレザーの財布を販売しているブランドを紹介します。
一言でスクモレザーといっても、加工するブランドによって風合いが全然違うのでおもしろいですよ。
全てオンラインショップで購入できるものなので気になる財布があればサイトでごらんください。
bluestone(ブルーストーン) ラウンドジップ長財布
サイズ | 193×98mm 厚さ23mm |
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札入れ | 4個 |
小銭入れ | 1個 |
カードポケット | 8個 |
フリーポケット | 2個 |
素材 | 本体:SUKUMO Leather パイピング:山羊革(ヌバックゴート) 内装:山羊革(ヌバックゴート) |
価格 | 77,220円(税込) |
スクモレザーを長く楽しむならこの財布が一番おすすめです。
先程説明した、「ばた織り機」を使った革を使用しているので柔らかくふんわりした手触りに仕上がっています。
パイピングと内装には、ヌバックゴートレザー(山羊革)を使っていますね。
ゴートレザーはハイブランドのかばんだったり、手袋によく使われています。それくらい強度のある革なんです。
カラーバリエーションは、藍色と縹(はなだ)の2種類を採用しています。
池之端銀革店 藍染めL字ファスナーロングウォレット
サイズ | 100mm×180mm 厚さ17mm |
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札入れ | 2個 |
小銭入れ | 1個 |
カードポケット | 10個 |
素材 | 本体:SUKUMO Leather(牛革) 内装:イタリアンシュリンクレザー(牛革) |
価格 | 44,000円(税込) |
L字ファスナーの財布なら、池之端銀革店がおすすめです。
柔らかい革だから、L字ファスナーが凄く使いやすいんですよね。
カラーバリエーションは4種類。
- 花浅葱(はなあさぎ)
- 藍
- 籠絞り
- 縞
「籠絞り」と「縞」はそれぞれ「ムラ染め」と「ロウケツ染め」という技法を使用しています。
伝統技法で染め上げた革なんて滅多にないので、染め物が好きな方にとっては涎垂ものだと思います。
レビューを読んでみましたが、しっかりと経年変化もしてくれるようですね。
JUNYA WARASHINA ラウンドジップウォレット
サイズ | 100mm×196mm 厚さ32mm |
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札入れ | 4個 |
小銭入れ | 1個 |
カードポケット | 8個 |
フリーポケット | 2個 |
素材 | 本体:SUKUMO Leather(天然本藍染) 内装:国産牛革(シボ革) |
価格 | 100,100円(税込) |
世界中の希少な素材を最高の状態で届けるというコンセプトのクチュールメゾン「ジュンヤワラシナ」。
ロンドン芸術大学セントマーチン大学院でファッションデザインを学んだジュンヤワラシナが選んだのはロウケツ染めのスクモレザー。
「ロウ割れ」なので、革に塗ったロウを折り曲げてロウを割り、その後に染め入れをすることでこのひび割れた見た目になってるんでしょうか。
ですから、手触りはヒビにそってデコボコしてるという感じではなく今まで紹介してきた財布と同じように柔らかい質感だと思います。
内装にはシボ付きの国産牛革を使用。藍色と黒のコントラストがオシャレさをグッと増してくれていますね。
JUNYA WARASHINA スクモ クロコダイル ラウンドジップ長財布
サイズ | 196mm×100mm 厚さ32mm |
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札入れ | 4個 |
小銭入れ | 1個 |
カードポケット | 8個 |
フリーポケット | 2個 |
素材 | 本体:クロコダイル(天然本藍染) 内装:国産牛革(シボ革) |
価格 | 385,000円(税込) |
なんと、JUNYA WARASHINAではクロコダイルのスクモレザーも取り扱っています。
留紺という深い藍色に染め上げられたクロコダイルは高級感がハンパないですね。
暗いところだと模様だけが青っぽくみえるのですが、明るい場所だと斑全体が深い紺色に輝くんですよね。
圧倒的な高級感と存在感のある贅沢な財布の究極系ですね。
クロコダイルの種類はわからなかったのですが、常に最高級のものを扱うというポリシーをもっているブランドなので、おそらくイリエワニで合っていると思います。
スクモレザーのエイジング(経年変化)
初めに紹介したbluestoneのラウンドファスナーのエイジング画像を紹介しますね。
一番スタンダードなカラーで、色の深みが楽しめる藍(ai)です。
選んだカラーによってエイジングは変わってきますが、この財布に関しては意外とエイジングが早いんですよ。
1ヶ月くらいで透明感のあるツヤッツヤの革質に経年変化しました。1年ぐらいで落ち着きましたが、それでも少しずつエイジングしています。
一般的なヌメ革の財布とは違ったエイジングをするのでこの先も楽しみです。
まとめ
印伝とか黒桟革とか藍染革とか、日本伝統の和風な素材って心がくすぐられますよね。
スクモレザーは革の長い歴史の中で考えても新しい革です。まだまだ一般的には流通していませんし、値段も高価です。
でも、最近では香港への出店やロンドンでの出展など、世界でも注目が広がっています。
ブームの兆しはそこまで来ていますよ!
僕も藍染めレザーはかなり好きなので、これからも応援していきます!